薬局管理者の要件についての問題は、登録販売者試験の 第四章でよく出てきます。
また、薬局開設者と薬局管理者の違いは、第四章の「行政庁の監視、行政庁による処分の問題への対策」に関する問題を理解するのにあたって、必要な知識になります。
過去問を見ているとよくあるひっかけ問題が、「薬局開設者」「薬局管理者」をおり交ぜた問題です。これらの区別がよく分からないという質問がありますので、解説していきます。
まずは、「開設」と「管理」の言葉の意味を辞書で確認してみましょう。
開設:新しい施設や設備などをこしらえること。また、新たにその運用を開始すること。
管理:①ある規準などから外れないよう、全体を統制すること。②事が円滑に運ぶよう、事務を処理し、設備などを保存維持していくこと。 ③法律上、財産や施設などの現状を維持し、また、その目的にそった範囲内で利用・改良などをはかること。
出典:goo辞書 https://dictionary.goo.ne.jp
簡単に言ってしまえば、
●薬局開設者:薬局を新たに始める者
●薬局管理者:薬局を実際に運営する者
ということになります。
あまり想像がつかないかもしれませんが、開設者と管理者は、役割が異なります。
薬局開設者は、「経営者」と言った方が分かりやすいかもしれません。薬局を経営するにあたり、必要な業務をこなす人になります。たとえば、帳簿や記録表、業務手順書の用意、薬局内の掲示物などを取りそろえる業務があります。
一方、 薬局管理者の方は、日々、薬局を円滑に運営する役割があります。たとえば、薬剤師や薬剤師以外の従業員が適切に業務を行っているかどうかの監督や、医薬品やその他商品の貯蔵・陳列などの確認などの業務があります。
イメージとしては、 開設者の方が薬局という「ハコ」全体を見る仕事で、管理者の方がもっと細かく「ヒト」や「モノ」を見る業務を任されている、と考えると理解しやすいかもしれません。
帳簿や業務手順書の準備、薬局内の掲示物などの確認業務など。
●薬局管理者
従業員の監督や、医薬品等が適切に管理されているかどうかの確認業務など。
更に、ここで合わせて大事なことは、誰が薬局開設者や薬局管理者に資格者がならなくてはならないのか?ということです。
●薬局開設者:薬局を新たに始める者 → 薬剤師でなくてもOK
●薬局管理者:薬局を実際に運営する者 → 薬剤師以外はNG
たとえば、試験問題で、以下のような問題があったとします。
②登録販売者が薬局管理者になることは可能である
この場合、 ①は正、②は誤になります。
考えてみれば当たり前です。「起業」自体は誰がやってもOKですが、薬局は薬剤師を中心に成り立っている業態ですので、薬局管理者に関しては薬剤師がベストですよね。
実際、薬局開設者は経営に詳しい「薬剤師以外」の方がやっているというパターンは多いと聞きます。住み分けをすることで、メリットもいろいろあるのだと思います。
ということで、薬局開設者と薬局管理者の違いでした。問題でひっかからないようにしてくださいね!