Q.ひまし油について詳しく教えてください。

ひまし油はキャスター(カスター)オイルとも呼ばれ、化粧品業界でもよく使われています。
医療的には、小腸刺激性の下剤で、急速な腸内容物の除去のために使われます
急速な腸内容物の除去というのは、なにかを誤って飲み込んでしまいそれを早く出したい時や、食中毒の時のことなどを言います。
とにかく体内のものを外に出すというのがこの薬のはたらきなので、下すだけでなく、副作用として「悪心・嘔吐」があります。上からも下からも…という感じですね。

作用機序

ひまし油は、そのままの形では腸管粘膜刺激作用はありません。
①十二指腸でリパーゼによって加水分解されて、リシノール酸とグリセリンに分かれる。
②リシノール酸が腸のアルカリによってリシノール酸ナトリウムとなり、これが小腸粘膜の水分吸収を抑制する。
腸管内に大量の水分が残ることになり、これによりぜん動運動が亢進する。

注意点

駆虫薬など脂溶性の物質と一緒に使うと、その成分がひまし油に溶けだし、脂溶性成分の吸収が高まってしまうので副作用の元になります。

他にも、同じ理由で、防虫剤や殺鼠剤など脂溶性の成分(ナフタレンやリン等)を誤って飲み込んだ場合の対処としても、使うことができません。

※駆虫薬についてはこちらを参照してください。

また、吸収された成分の一部が乳汁中に移行して、乳児に下痢を引き起こす恐れがあるので、母乳を与える女性は使用を避けるか、使用期間中は授乳を避ける必要があります。

そして、3歳未満の乳幼児では使用を避けることとされています。

エピソード

ヒマシ油の歴史は古く、さまざまな文学や映画作品などにも登場します。
私が最近見たアメリカドラマで、”The Night of” という犯罪ドラマがありますが、この中でもひまし油が出てきました。
そのドラマでは、主人公が殺人の罪で収監され、どんどん囚人の生活になじんでいく(なじまざるを得ない)という様子が描かれています。ある日、飴玉のように何かで包まれた覚せい剤を面会人から5個受取り、それを看守に見つからないように丸呑みし、中に持ち込みます。その後、丸呑みした覚せい剤を外に出さなくてはならないのですが、その時に使用されていたのがひまし油でした。
ひまし油によって無理やり下すことで、排せつ物の中から覚せい剤を見つけ出すのです。4つまでは見つかったのですが、1つが置いてけぼりになり、仲間に笑われながらひまし油を追加で飲むというオチでした。
覚せい剤の袋がやぶれ、体内で中身が流出したら…おそらく主人公は死んでいたでしょう。
このように、ひまし油にはおもしろいエピソードが他にもありまして、スタンド・バイ・ミーなどさまざまな文学の中でも「罰」としても使われています。

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