「整腸剤」は微妙な言葉
日本語の「整腸剤」という言葉は、ぴったり「これ!」としっくりくる英語表現がありません。整腸剤にはさまざまな働きがあり、目的としている効能効果によって、お客さまの伝え方が異なるためです。
もう少し具体的に言うと、いわゆる日本語での「整腸剤」を使う際、たとえば、
●消化機能を改善したい
●便秘に使いたい
●下痢に使いたい
などの目的があり、「整腸剤」は、これをすべてひっくるめた効果があるという認識がありますので、「整腸剤」とひとこと言えば事足りる印象があります。
この「整腸剤」という言葉に一番近いと思われる表現は、probioticsだと思いますが、お客さんから「probioticsはありますか?」と聞かれる機会はあまり多くないです。あくまで推測ですが、probioticsという言葉は、発酵食品なども含まれるように、広い意味を持つ言葉だからだと思います。それについては、詳しく後述します。
では、どのように聞かれるかというと、
●消化剤はあるか?
●便秘薬はあるか?
●下痢止めはあるか?
と、具体的な薬のカテゴリーや症状で問われることの方が多いのです。
ここで、もし私たちが「整腸剤」を選択肢に入れる場合に、たとえば、整腸剤を見せながら以下のように尋ねてみます。
プロバイオティクスはいかがですか?
すると 「いいね、それにします。」とご購入につながるパターンが多いです。
つまり、probioticsという言葉は、お客さんから言われる場合よりも、私たちが使う機会の方が多い印象があります。 覚えておくと便利な言葉なので、ぜひ頭に入れておきましょう。
ちなみに、整腸剤という言葉を辞書で調べてみると、intestinal medicineなどと出てくる場合がありますが、この言葉はあまり聞いたことがありません。intestinalは「腸」という意味があります。
「整腸剤」に関する英語を、以下にピックアップしていきます。
probiotics/プロバイオティクス
probioticsは、元々「生菌」という意味ですが 、体に良い作用をもたらす生きた微生物のこと、またはそれを含む食品をまとめて表現することがあります。ドラッグストアでは特に腸を整える薬、いわゆるビオフェルミンのような整腸剤のことを指して言うことがあります。
probioticsの代表格は、 乳酸菌(英語ではlactic acid bacteria、略してLAB) のような善玉菌になりますが、日本の伝統的な食品、ぬか漬けや納豆、味噌などの発酵食品もここに含まれます。広い意味を持つのです。
ちなみに発酵食品は、fermented foods(ファーメンティド フーズ)と言います。
digestants/ダイジェスタンツ
直訳すると、 消化剤という意味ですが、整腸剤を指すこともあります。乳酸菌には様々な効果があり、その1つに、消化吸収を促進するという働きがあります。ただ、消化剤には、
のお薬もあるので、整腸剤と消化酵素のどちらがほしいのかはお客様に聞いてみる必要があります。
おまけ:ビオフェルミンを英語で説明しよう
●Biofermin contains 3 strains of lactic acid bacteria.
ビオフェルミンは3種の乳酸菌配合のお薬です。
ビオフェルミンはヨーグルトのように腸のコンディションを改善します。
※yogurtは、ヨーグルトではなく、「ヨゥガート」という発音になります。
下痢や便秘、膨満感に効果があります。