ドラッグストアなどで接客していると、外国人のお客様から、耳が痛いという訴えがたまにあります。 原因としてよくあるのが、飛行機で日本に来て、 気圧の影響で耳が詰まったままになってしまって痛いというものです。 この症状は、耳の中の気圧と外界の気圧が違うことで発生します。 痛みが引かない場合は航空性中耳炎の可能性もあるので注意します。
耳の痛みの英語表現
※congestionという単語についてはこちらを参照してください。
また、 気圧によって耳がキーンとなったり痛くなったりすることをpopと言います。この単語は、例えばこのように使います。
耳抜きのやり方は色々ありますが、一番手っ取り早い方法はバルサバ法です。鼻をつまんで口を閉じ、鼻から息を出そうとする方法です。ただし、やりすぎると耳を傷めるので注意してください。
耳の痛みへの対応
市販薬で対応できそうなものを記載します。
点耳薬
このような耳の症状を訴えられた時、欧米の方に必ずと言ってよいほど点耳薬があるかどうか聞かれます。 日本では点耳薬はあまりメジャーでないと思いますが、欧米ではよく使われる方法のようです。
余談になりますが、英語で耳抜きについて調べると、「海外版 家庭の医学」のようなサイトに酢酸とエタノール(お酒)をまぜて点耳する方法が書かれています。
ドラッグストアで点耳薬があるか聞かれたらどうすればよいでしょうか。
点耳薬は市販薬でたったひとつだけ存在しています。 医薬品医療機器総合機構のサイトで、「点耳薬」で添付文書を検索すると唯一出て来る薬が、パピナリンです。
ですが、残念ながら、2020年現在、 製造休止となっています。製造再開の見通しについても不明です。ですので、現在のところ、点耳薬の選択肢はありません。
飛行機などの気圧で耳が痛い時…など具体的な記載はもちろんパピナリンの説明には書いてないですが、耳の軽い痛みや痒みなど、耳の違和感の症状がある時には選択肢のひとつになりそうです。
パピナリンには中耳炎への適応も書いてありますが、基本的には中耳炎は病院に行って治療をした方が良いので、中耳炎の疑い(耳がかなり痛い、発熱を伴う、風邪や鼻炎の後の耳の違和感など)がある場合は、受診勧告を第一とします。
解熱鎮痛剤
耳の痛みは、解熱鎮痛剤が有効です。いずれの解熱鎮痛剤にも、効能効果に「耳の痛み」があるはずですので、確認してみてください。
鼻詰まり改善薬(内服または点鼻)
鎮痛剤を飲んだけれども良くならない…と言われた場合、 鼻が詰まっていないかどうか聞いてみてください。鼻と耳は繋がっているため、鼻症状を解消すると、耳症状が改善することがあります。鼻詰まりがある場合は血管収縮剤入りのものを、アレルギー性鼻炎の可能性がある場合には抗アレルギー剤か抗ヒスタミン剤をおすすめしてください。
血管収縮剤入りのものをすすめる場合には、くれぐれも慢性疾患や、普段お使いのお薬がないかどうか聞くことを忘れないようにしてください。