非常に分かりにくい、消毒薬、傷薬、抗生物質の違いについて書きます。これらの製品は、ただでさえ日本語でも定義があいまいなところがありますし、一般の方の認識ですと、より認識にバラつきがあることが多いので、参考程度にしていただければと思います。
目次
disinfectants ディスインフェクタンツ
disinfectantsは直訳すると「消毒剤」ですが、主に 生体以外のものを消毒するためのモノを総称します。 例えば、医療器具や床の消毒をする時に使うものはdisinfectantsとなります。
antiseptics アンタ(アンティ)セプティクス
殺菌作用のある塗り薬を総称しますが、一般の方の認識だと抗菌作用のあるものに使われる場合もありますので、柔軟に対応するようにしてください。 たとえば、オロナインなどの傷薬はantiseptic creamになります。
また、意外な感じがするかもしれませんが、 塗るタイプの制汗剤・デオドラントにもこの言葉を使う時があります。なぜかというと、「脇の匂いの元=雑菌の繁殖が原因」ということを知っている方がいるからです。たしかに、そう考えると、デオドラントに対してantisepticsという言葉を使うのは自然ですね。
hand sanitizers ハンドサニタイザーズ
これはそのまま 手指消毒薬のことを指します。手をこするジェスチャーと共に尋ねられることが多いです。手ピカジェルなどの擦式手指消毒剤をおすすめしてください。今回取り上げた単語の中だと、最も聞かれる機会が多いですので、優先的に覚えていただきたいです。
antibiotics アンタ(アンティ)バイオティクス
これは主に 内服のタイプの抗生物質を指します。 抗生物質は、 細菌の増殖を防ぐことができます。ドラッグストアなどで内服の抗生物質を販売しているかどうかは、日本の方にも外国の方にも、非常に良く聞かれることの一つです。
anticepticsとantibioticsの大きな違いは、少し乱暴ですが、英語にすると、
●Antiseptics kill bacteria.
消毒剤は殺菌します。
●Antibiotics reduce of bacterial growth.
抗生物質は細菌の増殖を抑えます。
となります。日本の市販薬では、内服の抗生物質はありませんが、抗生物質の塗り薬であれば販売しています。少しややこしいですが、ざっくり言うと、
●塗るタイプの傷薬:antiseptics
●内服の抗生物質:antibiotics
という言葉を使う傾向があります。