こちらは登録販売者試験の第二章についてのご質問です。消化酵素はたくさんありますので、覚えるのが大変かもしれません。今回は、タンパク質消化酵素のひとつである「エレプシン」は具体的にどのような役割があるのか?というご質問をいただきました。
語尾が「~プシン」で終わっているものは、タンパク質分解酵素だと判断できます。他にも、ペプシンやトリプシンなどがありますね。ここでは、ご質問にあるエレプシンだけでなく、他のタンパク質分解酵素についても記載します。
エレプシン
エレプシンも「~プシン」という語尾を持ちますが、タンパク質分解酵素の一つです。
小腸の粘膜から分泌され、半消化されたタンパク質をアミノ酸に分解します。また、半消化されたタンパク質を「ペプトン」と呼ぶことがあります。ですので、「エレプシンはペプトンをアミノ酸まで分解する」という書き方で出題されることもあります。
エレプシンは、この反応において、赤色で示した反応を進める消化酵素です。
「ペプトン」という言葉と「ペプシン」と言う言葉を混同しないようにしましょう。ペプシンはタンパク質分解酵素の名前であり、ペプトンはタンパク質が半消化された状態のものを指します。
ペプシノーゲン(ペプシン)
ペプシンについて覚えておきたいことは、以下になります。
- ペプシノーゲンは胃で分泌される
- ペプシノーゲンは胃酸によってペプシン(活性型)となる
- タンパク質がペプシンによって半消化された状態をペプトンという
炭酸飲料の「ペプシ」は、昔「ペプシン」が含まれる健康飲料でした。今はもう含まれていませんが、そのような経緯でこのようなネーミングになっています。お肉好きな方にピッタリの飲料ですよね。
トリプシノーゲン(トリプシン)
トリプシンについて覚えておきたいことは、以下になります。
- 膵液に含まれている
- 膵液中のトリプシノーゲンは腸液(十二指腸から分泌)によってトリプシンになる
- トリプシンはペプトンをさらに細かくする消化酵素である
まとめ
たんぱく質の消化についてまとめます。タンパク質は、以下のような流れでアミノ酸まで消化されます。
タンパク質 → ペプトン → アミノ酸
そして、今回出てきた3つのタンパク質消化酵素をまとめると、以下のようになります。
ペプシンが担う消化:タンパク質 → ペプトン
エレプシンやトリプシンが担う消化:ペプトン → アミノ酸
以上になります。