Q.テキストをすべて読んでから過去問を解いた方が良いですか?

こちらのご質問は、非常によくいただく質問のひとつです。

この質問を受けた時に最初に浮かぶ疑問は、「テキストをすべて読む」というのは、何を持って「テキストを読み終えた」という認識になるのか?ということです。適当にパラパラ読んだとしても、テキストの一言一句残らず頭に入れていったとしても、どちらも「読み終える」になります。

結論から申し上げますと、「すべて読む」必要はありません。必要ない、というのは極端ですが、 最初から最後まで一気に読むのではなく、少しテキストを読んでは問題を解く、というのを繰り返してください。

「テキストを片っ端から読む」という行為は、勉強した気になっているだけで、何も身についていない状態です。テキストの赤色になっている部分を覚えることは、もちろん大事なのですが、それを覚えるだけでは実践ではなんの役にも立ちません。なぜでしょうか?

素晴らしいレシピ本だけではおいしい料理はできない

例えばですが、高級料理屋で働き始めるときに、料理のレシピ本を渡されたとします。それを一生懸命読んで、頭にレシピを叩き込み、いざ厨房に立ったとして、すぐに料理ができるでしょうか?

恐らく、そのレシピを仕上げるためには、包丁やお鍋などの道具がどこにあるか確認し、揃えておいたり、だしの取り方を覚えたり、包丁さばきを覚えたり…レシピに載っていること以外の行為がとても重要になってくると思います。

それらを実践としてやったことがなければ、いくらすばらしいレシピが頭に入っていても、おいしい料理が完成する可能性は低くなります。

つまり、テキストをすべて読むという行為は、レシピ本ばかりをずっと眺めている状態です。

登録販売者試験の勉強も同じです。重要なことだけを覚えても、いざ問題を見た時に、知識を自分の脳の引出しのどこから引っ張ってくるのかが分からなければ太刀打ちできません。

「問題を解く」という包丁さばきを実践することで、初めてテキストの赤字になっている部分を、本当の意味で重要だと認識できるようになります。ですので、テキストを少し読んだら、その読んだ部分に関する問題を迷わず解いてください。

相手(試験)の戦略を早くから知っておく重要性

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みなさんの目的は、「試験に合格すること」です。合格するためには、相手(試験)の戦略を把握する必要があります。それは、早ければ早いほど◎です。どんな問題が出されて、どんな知識が必要になってくるのか?相手の正体が何も分からなければ、自分が何を勉強していくべきなのかも分析できません。

問題を解いても、最初は何も分からないかもしれません。しかし、それで良いのです。「自分が何も分からない」ことを知ることで初めてスタートラインに立った状態になります。

勉強におけるインプットとアウトプットの重要性

勉強だけに限らず、何かを究めるときは、インプットとアウトプットのバランスがとても大事です。インプットは入力、アプトプットは出力です。

テキストを読む行為はインプット、問題を解く行為はアウトプットです。この繰り返しによって、間違いなく実力がついてきます。

問題を解けば、おのずと自分の実力が可視化されるので、少し億劫に感じるのも理解できます。しかし、テキストはただのレシピ本ですので、おいしい料理を作るために包丁さばきをどんどん覚えましょう。

最初はみんな、生まれたてのバンビ状態で当然です。こわがらずに学習していきましょう!

(薬剤師:村松早織)

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