Q.抗コリン薬(または抗コリン作用)、眠気の副作用があるのはなぜ?

抗コリン薬と言えば、
アセチルコリンの働きが抑制される
→副交感神経が抑制される
→相対的に交感神経が優位になる
 
と考えるとすると、眠気の副作用が結びつかない。また、ヒスタミンは脳の「覚醒」に関わっており、抗ヒスタミン剤は脳のヒスタミン刺激を低下させることで副作用として眠気があるということは学んだが、抗コリン薬(または抗コリン作用)にも同様に眠気の副作用があるのはなぜですか? 
 

…と質問を受けました。複合的な内容になっているので、少しずつほどいていきましょう。

 
登録販売者試験では、抗ヒスタミン作用と抗コリン作用はセットで出題されることが多く、混乱される方が多い印象です。知識がごちゃごちゃにならないように、まずは、抗ヒスタミン作用と抗コリン作用の違いについて復習しましょう。

抗ヒスタミン作用と抗コリン作用の違い

●抗ヒスタミン作用:生理活性物質(刺激物質と呼ばれることもある)のヒスタミンとヒスタミン受容体との関係によって引き起こされる作用
 
●抗コリン作用:神経伝達物質のアセチルコリンとアセチルコリン受容体との関係によって引き起こされる作用
 
なので、全く別ものです。
ですが、抗ヒスタミン剤は抗ヒスタミン作用だけでなく、抗コリン作用も持つものがあるため、試験で狙われる部分になります。なぜ抗ヒスタミン剤が抗コリン作用を持つのか?については、以下の記事に詳しく書いてあります。ご参照ください。
 
 

抗コリン薬の眠気の副作用はなぜ起こる?

 
まずは、中枢神経系と末梢神経系の違いを頭に入れてください。
自律神経系は末梢神経系に分類されるんでしたよね。
 
※中枢神経は「中心となる神経」、すなわち脳・脊髄のことです。末梢神経は中枢神経から体の末端まで枝のように伸びている神経のことを言います。漢字で覚えましょう。
 
登録販売者試験の範囲では、アセチルコリンは、自律神経系のうち副交感神経の神経伝達物質として学びます。また、アセチルコリンの働きについては、主に上記のように末梢神経系で学びますが、実はアセチルコリンは中枢神経系の伝達物質でもあります。つまり、ざっくり言うと、体だけではなく、脳でも働くということですね。
 
体で働く場合と、脳で働く場合とで、働きが異なるわけですが、では脳内でアセチルコリンはどのような働きに関わっているのでしょうか?
 
答えは、覚醒、集中力、認知能力などです。
 
抗コリン薬は、アセチルコリンがアセチルコリン受容体に結合するのを阻害する薬です。これが脳内でも働いてしまい、脳内のアセチルコリンの働きが抑制され、覚醒の反対現象、すなわち眠気の副作用が出ると考えられています。
 

まとめ

このご質問を解説するにあたり、抗コリン作用と抗ヒスタミン作用の違いと、中枢神経と末梢神経の違い、この2つの観点からお話ししました。
 
少し難しい話になりましたが、今回の質問はとても良いですね。深く勉強すればするほど、登録販売者試験の勉強の知識だけでは理解できない部分が出てくると思いますので、どんどん質問してくださいね。
 
ちなみに、酔い止めに使われる抗コリン薬の場合、中枢への作用と末梢への作用が両方とも出てきます。(手引きより抜粋)
 
●中枢への作用:自律神経系の混乱を軽減させる
●末梢への作用:消化管の緊張を低下させる作用を示す
(中枢への作用については、あいまいで分かりにくい表現ですね…)
 
以上になります。

登録販売者試験のためのお役立ち資料集

成分一覧表、生薬一覧表、漢方一覧表など、役立つ資料を無料・有料にて提供しています。

以下の画像クリックで当サイト内のリンク先に飛びます!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加