中国の病院・薬局事情

はじめに

2017年5月現在、「爆買」という言葉ができてからかなり時間が経ち、いまだにまとめ買いは多くあるものの、この様相もかなり落ち着いてきました。

爆買ブームとなった要因については、経済のプロフェッショナルの方々がたくさん言い尽くしていますが、中国の病院事情について、中国人の友人から聞いたこと、そして自分が中国で見てきたことを中心に書き残そうと思います。

中国の病院事情

これは、中国生まれ中国育ちの友人から聞いた話になります。私は中国に住んだことがないので、その友人の主観でのお話になります。彼女が言うには、

日本で言う町医者(クリニック)という存在がないため、大きな病院に行かなくてはならない

→症状が重かろうと軽かろうと全員が病院に集まる

→ものすごーく待たされるので、朝行っても午後に診察になる

→病院にできるだけ行かない

という悪循環になっているそうです。たしかに、私が働いていたドラッグストアで、中国人のスタッフがお客様から相談されている内容は、重大な病気が多いのです。

例えばよくあるのが、乾癬、緑内障、血栓症、動脈硬化など。病状を聞いていると、受診勧告するレベルのものも多いのですが、それでもお客さんには、何でも良いから、何かしらの薬がどうしてもほしい、と言われてしまうのです。

無い薬を出すわけには行きませんので、そういうお客様には、病気の予防方法や生活習慣のアドバイス、サプリメントによる補助的な治療など、総合的なアドバイスを中国語に訳して話をしてもらっていました。

中国のドラッグストア事情

さて、中国の薬局やドラッグストア事情はどのようになっているのでしょうか。前の項目で出てきた中国の友人によれば、「中国の薬の法律についてはわからないけれど、日本のようにドラッグストアで私たちが普通に薬を手に取れる状況はないと思う。」ということでした。「ないと思う。」というあいまいな表現については、中国はとにかく広いので、全土についてはわからないけれど、私がいたところについては…ということです。

ここからは、私が中国を訪問した時の話になります。

中国は非常に広く、領土問題が複雑ですが、ここでは香港については中国とは全く別の国として考えます。なぜなら、香港は自由貿易のため、日本の薬(及び外国の薬)が町中のドラッグストアに大量に陳列されているからです。

自国の薬ももしかしたらあるのかもしれませんが、世界中の薬が手に入るのは、香港の最大の特徴でしょう。日本では、海外の薬が小売店で自由に手に入るということはありませんから、ある意味進んでいますね。ちなみに、香港でよく見かけたドラッグストアは、Watoson’s ワトソンズでした。

そして、中国本土の話に戻りますが、私が行った先では、友人の言った通り、薬局やドラッグストアはあるけれど、一般人の手に取れる場所に薬が置いてあるということはありませんでした。

町中にワトソンズもたくさんあるのですが、私が入ったところはどこも化粧品と日用雑貨しか置いてありませんでした。そして、ドラッグストア以上に、薬局というか、漢方薬局がたくさんあります。オーダーメイドの量り売りのような形式の薬局です。

一度入店してみましたが、大勢の薬剤師がずらっと並んで待ち構えており、ゆっくり見ることができませんでした。カウンターが透明な棚になっており、観察してみると、OTC医薬品らしき「葛根湯」の箱も置いてありましたので、量り売り以外に既製品も扱っているようです。しかし、結局その旅の中で、アスピリンなどの西洋の薬の既製品には出会うことはありませんでした。

やはり、中国では漢方がいちばん親しまれているようです。その話を台湾の友人にしてみたところ、台湾でも日本の薬は普通に買えますが、やはり漢方が浸透しており、病気になったらまずは漢方薬局に行くことが多いということでした。こどもの頃から、泥のような見た目の強烈な味の漢方を大量にもらい、服用していたとのことです。

まとめ

多くの中国人が、日本の薬の品質を信用しているというのは有名な話です。

それでも爆買ブーム当時は、日本の薬であろうとネット販売やバイヤーによる転売は信用されておらず、現地(日本)に行って自分自身で買う方がたくさんいました。現在は、中国国内のインターネットショッピングもかなり整備され、ネット販売やバイヤーの方への信頼も上がりました。爆買ブームがひとまず落ち着いた状況には、このような事情も含まれています。

これからも、インバウンドを取り巻く状況はすぐに変わっていくと思いますが、引き続き見守っていきたいと思います。

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